『館シリーズ』など本格ミステリーの小説家として有名な綾辻行人ですが、ファンタジーやホラーといった小説もあります。叙述トリックの名手であり、巧みな伏線にどんでん返しのラストは、いずれの作品も圧巻です。本格ミステリー小説をはじめ、おすすめの5選を紹介します。
綾辻行人のミステリー小説で一番有名なものは、『館シリーズ』ですがこの『館シリーズ』は、建築家・中村青司が建てた奇妙な館を舞台に事件が起きます。1位は、その『館シリーズ』の1作目『十角館の殺人』で、綾辻行人作品の中で最も有名な作品です。ミステリー好きな人には、欠かせない一作でしょう。
孤島に建つ十角の奇妙な館に、大学のミステリー研の学生が訪れます。そこで学生たちは凄惨な殺人事件に遭遇します。クローズドサークルで仕立てられたミステリー。驚愕のラストに衝撃を受ける作品です。
アガサ・クリスティーの『そして誰もいなくなった』のオマージュ作品であり、現代の多くの作家が影響を受けたという作品です。最終章のあの一言を読んだ瞬間に鳥肌がたちます。
『館シリーズ』の題7作目にして、四部作の超大作です。実は一番好きな作品なんですが、『十角館の殺人』で綾辻ワールドのとりこになった方は、ぜひ読んでみてください。さらに引き込まれます。
舞台は、山奥の小さな湖の中の小さな島の上に建つ漆黒の館です。その館には、忌まわしい影をまとう一家が住んでいた。その当主の息子に招かれた大学生は、謎だらけの事件に遭遇する。幻想的な世界観とミステリーのコラボです。4部作と大変なボリュームですが、何度読んでも飽きない作品です。『館シリーズ』で一番好きだというファンも多いはずです。
綾辻作品には、ミステリーだけではなく、ホラーテイストの作品もいくつかあります。おすすめのミステリー3の中で紹介した『Another』もその一つです。
『囁きシリーズ』の第1作目。ある名門の女学園で、生徒が「私は魔女なの」という謎の言葉を残し焼死した。それから、次々と起こる凄惨な事件に学園が恐怖におののく。転校生の冴子は、底知れない”囁き”に翻弄されいきます。
『館シリーズ』に次ぐ人気シリーズです。ファンタジーとホラーテイストのミステリーをお楽しみください。
少し、雰囲気の違う作品を一つご紹介します。短編集で5作品が収められた『どんどん橋、落ちた』は、綾辻行人氏ご本人が主人公です。少し変わったミステリー感が味わえ、『館シリーズ』などちょっと重いという方にもおすすめの作品です。しかし、しっかりとミステリーしていますので、ミステリー好きな方にももちろんおすすめです。
あるテレビ番組に登場する一家を思わせる登場人物がでてきたりとユーモアたっぷりの作品ですが、読者への挑戦ではたして犯人を当てられる人がいるのかどうか。超難解な問題へ挑んでみましょう。
恐怖を味わいたいのなら、絶対おすすめの一作です。綾辻作品のホラーとミステリーの特徴がぎっしりの『フリークス』『悪魔の手 三一三号室の患者』『四〇九号室の患者』の3編が収めれています。
ある科学者によって集められた5人の子供。人体改造という禁忌を行う科学者が、地下室で殺されます。現実と妄想との境界線があいまいなまま進む物語。精神病棟を舞台にしたホラーとミステリーです。読了後もなお恐怖が続く・・・。
『館シリーズ』(2020年10月現在の全作品)
1.十角館の殺人
2.水車館の殺人
3.迷路館の殺人
4.人形館の殺人
5.時計館の殺人
6.黒猫館の殺人
7.暗黒館の殺人
8.びっくり館の殺人
9.奇面館の殺人
『囁きシリーズ』(2020年10月現在の全作品)
1.緋色の囁き
2.暗闇の囁き
3.黄昏の囁き